ヨガの実践「内なる神に到達する」

実家で本を整理していたら、1981年に書かれたBKSアイアンガー氏による「ヨガ呼吸・瞑想百科」の中にわかりやすい表現があったので紹介します。
アイアンガー氏はアイアンガーヨガの創始者で、我々が実践しているアシュタンガヨガの創始者パタビジョイス氏の兄弟弟子(師はクリシュナマチャリア氏)にあたります。
(日本ヨガ界の草分け的存在、沖ヨガの沖氏が監訳)

全てのヨガは以下の八段階から成り立ちます。

1:ヤマ(禁戒)
日常生活において行わない方がよいこと

2:ニヤマ(勧戒)
日常生活において行った方がよいこと

3:アーサナ(坐法)
座って瞑想していくために、カラダを整えること(ヨガのポーズ)

4:プラーナーヤーマ(調気法)
意識的に呼吸を整えることで心を呼吸に沿わせること

5:プラッティヤハーラ(制感)
カラダの感覚をありのまま感じること

6:ダーラナー(集中)
今の感覚に心を添わせること。心が今にとどまることを学んでいる段階。努力のいる集中。

7:ディアーナ(瞑想)
今の感覚に心を添わせること。心の動きに気づいているため、集中が途切れてもまたすぐに戻ることができる。

8:サマーディ(三昧)
今に集中している状態。心が定まっている状態。

LAVAさんより引用

こちらを踏まえた上で下記、アイアンガー氏の本からの抜粋です。

ヨガは八段階よりなる。
その八段階は、ヤマ、ニヤマ、アーサナ、プラーナーヤーマ、プラティヤーハーラ、ダーラナー、ディヤーナ、サマーディである。
これらが互いに関連し、総合されたものがヨガであるが、便宜上段階ごとに取り上げる。

木は根、幹、枝、葉、樹皮、樹液、花、果実よりなる。
そのひとつひとつは、それぞれ別個のものであるが、それひとつでは木になりえない。
ヨガの段階も同じで、それぞれがひとつであると同時に、それひとつではヨガとなりえない。
ヤマの宇宙法則的なことは木の根にあたり、ニヤマの戒律は幹である。
体位法(アーサナ)は、いろいろな方向に出ている枝である。
プラーナーヤーマは、木全体に酸素を取り入れる葉である。
プラティヤーハーラは、ちょうど樹皮が外敵を防ぎ内部を護っているように、エネルギーが外部へ流出しないようにする。
ダーラナーは肉体と知性を結ぶ樹液である。
ディヤーナは花であり、やがてサマーディという果実となる。
木の最終的産物が果実であるように、ヨガの実践の集約の結果は、自己完成、自己成就(自分の中に神をみること)である。

ヨガの八段階を実践すると、自分自身をより深く広く理解できる。
段階的に自己の肉体という既知なることから、未知なることに進むことができる。
また自己の肉体という容器、すなわち皮膚から心に進む、心より知性、意志、善悪の判断、真実・不真実の意識、最後に絶対なる自己(自己の内なる神)に到達する。

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